「日本は経済が発展していて、豊かな国なのに何で英語がこんなにも話せないんだ」とよく外国人に言われます。
実際に僕が海外に留学していた時も友達から「日本人がこんなにも英語が下手だとは思わなかった」と言われました(笑)。
でもおかしいですよね?義務教育で少なくとも6年も勉強して来てるのに、ちょっとした挨拶ですらまともにできないというのは、何か問題があるはず。というかなきゃおかしい。
よく日本の英語教育が間違っていると言われている通り、それも確実に原因の一つです。
僕が海外で1年で勉強して思ったのが、他にも理由は山ほどあるということ。逆にそれを理解した上で勉強を進めれば、効率よく勉強できるんじゃない?ということでまとめてみました。
日本語は曖昧な言語
日本語って絶妙なニュアンスを表現できる素晴らしい言語だと思います。言葉の響きも綺麗ですしね。
ただ、英語との相性がすごく悪い。というのも日本語だと主語がなかったり、動詞がなかったり、目的語がなくても意味が伝わるからです。英語は論理的な言語で、きちんと主語、動詞、目的語を使わないと意味が通じません。
主語がなくても伝わる
例えば日本語だと「今晩何食べたい?」という質問に対して
「今は決められない。」
「特にないかな。」
「カレーがいい。」
といった感じに数パターンの返事が考えられますけど、上の三つの中に1つも「私」という言葉が入ってないんですよ。つまり日本語は主語がなくても伝わります。
でも上のフレーズを英語で表してみると
「I will tell you later.」
「I have nothing I want to eat.」
「I want to eat a curry」
といった具合に必ずSVOの形になってます。例外はあるにしろ、ほとんどの場合文法通りにきっちりと文章が組み立てられます。
ようは何が言いたいかというと、日本語は結構適当な言語で、文法通りに話さなくても伝わるってこと。逆に英語は文法通りに話さなければいけないってことです。
多くの日本人は日本語は難しい言語だと思ってますが、実際は読み書きが難しいだけで、話すのは結構簡単らしいです。外国人の友達が言ってました。
数に対して大雑把
英語だと物や人を目的語とする場合、それが数えられるのか数えられないのかを区別します。
次に数えられるとしたら、それが単数なのか複数形なのかを区別します。「Pen」であれば「a pen」か「pens」になります。
でも日本人の感覚からするとペンが一つだろうと複数だろうと大した違いはありませんよね。「ちょっとそこのペン取って」と言いたいときに、わざわざ「1本のペンを取って」とは言いませんよね。
なので英語を話すときに、細く数を意識して「それが数えられるのか」「複数なのか単数なのか」を考えることが日本人にとっては難しいわけです。
僕は中高の文法的知識が完全に欠落してたので、この辺でかなり苦労したのを覚えてます。おそらくしっかり文法を勉強した人でも、実際に使うとなると難しいと思います。
物や人を特定しない
中学生の時に疑問に思いませんでしたか?「なんで『the』をつけなきゃいけないの?」って。「the」は何か特定のものを表す時に使う表現なんですけど、僕は全く理解できませんでした。だってあってもなくても意味が伝わるじゃんって思ってましたから。
英語を話すようになった今となっては「the」をつけないとすごく違和感を感じます。寿司にわさびが付いてないレベルの違和感です。
theをつけるかつけないかで、ある特定のペンが欲しいのか、なんでもいいからペンが欲しいのかを表しているのか変わってきますから、英語では重要な表現です。
でも日本語だとその辺の感覚が全く伝わらないですよね。「a pen」「my pen」「his pen」は日本語でもありますけど「the pen」って何?って感じ。別にわざわざ特定する必要もないよねって感じ。
この辺の違いも英語をスムーズに話せない原因。
時制が曖昧
日本人によくありがちなのが、文章の時制を全て進行形にしてしまうこと。
たとえば「私は英語の勉強をしてます。」という文章。そのまま英語にすると
「I am studying English. 」
となります。実際に”今”英語の勉強という動作をしているのであれば、その文章は正しいですが、長い期間勉強していたり、”今その瞬間”に勉強をしていないのであれば
「I study English.」
「I have studied English.」
「I have been studying English.」
のように進行形ではなく”現在形”で書き現わす必要があります。英語はこのように時勢に関してもきっちりと表しているので、日本語の感覚で話すと時勢がおかしくなっちゃいます。
これはアイルランドに留学している時にも語学学校の先生に言われました。「日本人はなんでも進行形になるんだよね」ってね(笑)。最初は違和感があるかもしれませんが、時制は正確に!
≫関連記事:オンライン英会話やっても上達しない根源的な5つの理由
言語が遠すぎる
言語には元となっている言語や使われている地域によって共通点があります。ヨーロッパであればドイツ語やスウェーデン語は英語と同じ種類の言語に属しているので習得が簡単。
またフランス語、スペイン語、ポルトガル語はラテン語をベースとしているので、それぞれの言語は文法的に似ている部分が多いので習得が容易です。
下の図はそれを図式化したもの。

ヨーロッパの中でも地域ごとに言語体系が似ているようです。
肝心の日本は、残念ながら英語とは似ても似つかない遠く離れた言語です。親戚の親戚の親戚よりも遠い関係。もはや共通点は”音”くらいしかないんじゃないですかね(笑)。だから話せるようになるのはすっごく難しい。
ある研究データによると日本人が英語を習得するには2000時間が必要だと言われています。1年間、1日6時間くらい勉強してやってできるようになるそう。
あと、ちなみに英語のネイティブスピーカーが日本語を習得しようとすると、1.69年かかるそうです。それほど遠い言語なんですね。

なので現実的な話をすると海外で1年必死に勉強したとしても、普通はペラペラにならないってことです。2、3年勉強してやっと不自由なく話せるようになります。
≫関連記事:【必読】ネイティブとのオンライン英会話は絶対ダメな5つの理由
日本人の性格や考え方
僕は英語力ゼロの状態で海外に留学したので、話せるようになるまでかなり苦戦しました。勉強しても全然伸びないので「何でできないんだろうな」っていつも考えてました。
当時は答えが見つからなかったんですけど、今は日本人の考え方や性格が原因になってるんじゃないかと考えてます。
褒めるのが下手
海外に住んでいて思ったのが、外国人は褒めるのが上手だということ。男性であれば綺麗な女性に会ったら「綺麗ですね」とか「その洋服、似合ってますね」的なことを言います。
友達同士でも「そのシャツ好き!」みたいなことを普通に言います。とにかく褒めるのが上手なので、会話がポジティブに進んでいきます。
僕も英語を話すときはなんのためらいもなく「それめっちゃいいじゃん!どこで買ったの?」と言いますから。相手のいいところを見つけては、それを会話の話題にしていくので会話が途絶えませんし。お互い気分がいいんです。
でも日本人って褒めるのが苦手ですよね。感情を表に出すのが恥ずかしいような文化があるからかもしれません。この辺のギャップも英語の習得の壁になってるんじゃないかな。
考えを持っていない
日本人はシャイだから話せないって言われたりしますけど、僕はそうじゃないと思います。思ったことを口に出せない原因はシャイだからではなく、自分の考えを持っていないからだと思うんです。
日本はよく言われている通り、本音と建前の国です。学校では先輩が言ったことは、たとえ間違っていたとしても正しいです。会社では上司の言ったことは、理不尽でも受け入れなきゃいけません。年功序列のシステムですから、文句を言えば実力があったとしても、レールから排除されちゃいます。
そうした環境で育つと「考える=悪」「従う=善」的な思考になっていきます。そして考えるよりも誰かの指示に従っていた方が楽だし、得をするんじゃないかと考えるようになります。
だから自分の考えよりも、誰もが納得するような建前を言うようになってるんだと思います。日本語なら建前でもうまく会話できますけど、英語だとそうはいきません。言葉を伝えるだけで精一杯なのに嘘や建前で会話をするなんて無理に決まってます。
実は、日本人が英語を話せない理由を外国人の友達に聞いたことがありますが、やはり「日本人は自分の意見がない」と答える人が多かったです。
まずはこういうところから見直した方がいいのかもしれませんね。
≫関連記事:ビジネス英語を科学的に鍛えるオンライン英会話10選【安物を買う時代は終わり】
日本の教育が悪い
もう僕が言いたい「日本人が英語できない理由」は出し尽くしたので、最後に徹底的に義務教育で行われる英語を否定してやりたいと思います。
留学するまでは特に気にしてなかったんですけど、今はわかります「こんなの何年続けても英語が話せるようになるわけないわ」って(笑)。
もちろん英会話スクールもです。そちらは「【大きな声で言えない】英会話スクールに効果がなく無意味な理由」を合わせて読んでみてください。
話す事を目的としていない
根本的に間違えているのが、英語を学ぶ目的。英語って人とコミュニケーションをするために学ぶものじゃないですか。
日本に来ている外国人と会話をしたり、海外旅行中にレストランや観光地で使う。仕事であれば海外のクライアントと打ち合わせをするために必要となります。
でも義務教育ってそこを目的としてない。単なる受験勉強というゲームを攻略するための英語になってしまってます。授業では先生がテストに出る文法を教えて、生徒は無言で頷いてノートに書き写す。これをする6年間ですから話せるようになりませんよ。
しかも大学に入っても、英語を話せるようになるわけではありません。具体的なデータを上げなくても、国際学部や英文科を出ている方に聞いてみればわかると思います。
つまり日本ではいつになっても受験勉強やTOEICというゲームを攻略するための英語勉強しか行われません。
大切なのは話せる英語です。文法の知識なんて会話を覚えてしまえば一通り身についてしまいますから。
教師が英語を話せない
じゃあ教育のシステムを変えれば、日本人は英語を話せるようになるのかというと、それも違います。なぜかというと先生が英語を話せないから。
普通、「英語の先生なんだから英語を話せるでしょ?」と思いますよね?でも実はほとんどの先生は英語を話せません。これってやばくないですか(笑)。本当になんのための英語なのと言いたくなっちゃう。
Huffingtonpostに掲載されていた記事によると、中学校教師の7割以上がTOEIC730点にも満たないらしいです。この記事を見たとき愕然としました(笑)。確かにTOEICで英語力を図ることはできませんが、少なくとも英語を一通り理解できるのであればTOEICは800点、900点を余裕で超えるはずです。僕でも800点台の点数を持ってます。
これは海外のサイトでも指摘されていることです。「Why Japanese people can’t speak English」と検索したら出てきました。
日本は生徒の学力を上げるよりも、教師の学力を上げることが優先なのかもしれませんね。
さらに詳しい義務教育の問題点は「日本の英語教育の問題点【文法を6年間も勉強するなんてバカ】」こちらの記事で書いてます。
≫関連記事:985点の僕が「格安オンライン英会話は効果なし」と言い切る7つの理由
まとめ
英語をできない原因を書いてみました。ではどうすれば話せるようになるのか?
その原因を解消するような勉強法をすることです。つまり「文法、数、時制に気を使って話す」「普段から英語のようにロジカルに話す」「自分の考えを持つ」「話すことを目的として勉強する」ことです。
義務教育で6年も勉強したのに英語が話せないと、苦手意識を持っている方も多いかもしれませんけど、英語は以外と簡単です。これ本当に(笑)。TOEIC400レベルの僕でも今では900点近い点数を持ってますから。会話もそれなりにできる方だと思います。
「知ったらすぐに勉強したくなる英語習得のメリット」で書いている通り、今の日本において、英語ができるようになればメリットは山ほどあります。仕事にしても受験にしてもです。
だからすぐにでも英語の勉強は始めるべきだと思います。最近ではコーチング系英会話スクールと呼ばれる、短期間でTOEICスコアを上げられるスクールや、海外赴任もできるレベルまで英語力を高めてくれるスクールがあります。
TOEICに関しては「3ヶ月でスコアを200点アップできる東京のTOEICスクールTOP6」
最短ルートで英会話が習得できるスクールに関しては「英語のパーソナルトレーニングができる英会話ジム5選」も合わせて読んでみてください。
5 comments
日本人が英語を話せないのは「必要ないから」に尽きると思います。
日本で普通に生活していて英語を必要とする場面は全くないです。
学問についても高度な専門分野も日本語で学ぶことができます。
なので、英語が出来ないのはむしろ恵まれてる環境下にあると思いませんか?
記事を拝読しました。筆者が挙げている問題点は、やはり日本的というか、日本教育の域を出ないものに見受けられました。
私の意見では、日本人は英語ができないのではなく、コミュニケーション力自体が低いのだと思います。
私は英語力がまだ低いうちでさえ、外国人と英語で話してみて日本人相手よりずっと話しやすいと感じました。
日本人はそもそも人の話を聞いておらず、だから相手の話に基づいた返事もしません。そのため何度言い方を変えて話しても意図が通じないことがよくあります。
多くの日本人は会話において、「なんとなくぼくら仲いいよね」感を感じるだけで満足している印象を受けます。そういう居心地のいい空気ばかり求めるために議論や反対意見、ちょっと異なる意見を言われただけでもイラついてしまうし、それを察して相手もそれ以上言わなくなる。これでは会話などごく浅いやりとりで終始するほかないでしょう。そんなやり方に慣れきった結果、会話力などほとんど育たず、互いにわかったような気になっただけで終わっている、それが日本人のよくある関係の実態だと思います。
「バス停はどこにありますか」とか「郵便局は次の信号を左です」みたいな正解のはっきりした文章なら、日本人でも慣れれば英語で言えるでしょう。そのレベルのことについてなら、英語が必要ないから、が話せない理由として成り立つと思います。
ですが互いの意思や気持ちといった目に見えないものをわかりあおうとした場合、日本人がまず磨くべきは日本語での会話力ではないでしょうか。
そう聞いただけで面倒くささを感じてしまうようなら、外国語学習どころではないと思います。そして多くの人は自分はどうかと見直すどころか、自分を悪く言われたようでカチンときておしまい、ではないでしょうか。
日本の一人当たりGDPが韓国についに追い抜かれました。韓国人の語学は英語力は上だと思います。今すぐに英語を公用語にすべきです。日本人がどんどん貧乏になっていきます。それには政治が動かないと意味がありません。学校9月始まりにするなんて実に下らん選択です。
そもそも「語学」なんて言葉がダメだと思う。
言語は学問じゃなくて単なる身につけるだけの道具。
言語習得は本当に才能の世界。大人になって勉強して「脳で考えて喋らない」自然体のネイティブレベルになれるのは言語の天才だけ。才能のない人は2歳・3歳ぐらいから言語を使わないと体に染み付かない。
それから日本語と英語は全てが対照的。文法も発音も全てが違う。「消えるT音」も日本語にはないでしょう?日本語の発音は全てルールに基づくが、英語の発音はリズムによって発音が変わる(日本人がT音で躓く理由)。
「僕」って女々しくて不快だからさ、男らしい外国風な男性を目指すなら、まず勇気を持って一人称を「俺」に変えることから始めようか?「俺」って言えるよな?男だよな?言えるだろ?言えるよな?言える勇気ある?俺は普通に俺って言えるけどな。
この程度の主題でグダグダと長々しい長文もいらない。見かけ重視の格好付けた改行多用も読みづらいだけで無駄・非合理的。右側に写ってる広告動画、ウザいから操作で停止できるように改善してくんない?
色々とひどいな、もうちょっとスマートに処理しようよ。
土屋雅人様
記事を拝読しました。なるほどと共感できる部分が多々ありました。このほど「ストーリーで読む英語の本」を出版しました。今までにない視点からの英語参考書となっています。何かの参考になればとお知らせします。
土屋 正美
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